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奇跡的な回復 そして復活した。

LEEさんに「リタイヤ」の電話をしてから何分くらいだろうか。エビのように背中を丸めてアンバサダーのキングサイズベッドの真ん中でお腹を抱えていた。

じぃーーっと動かず・・・自分の体温でお腹を温めるといいってなんかで聞いたことがあったよな。

真っ暗な外を見ながら祈ってた。痛みよ引いてくれって。

何分くらいそんな事を考えながらいたのだろう。

10分?15分??

もうダメだ、あきらめた、走れない、マラソンなんてとても無理だ。

リタイヤ決めてからもう何時間も経ったような気もする。このまま夜が明けないんじゃないかとも・・・

全身からすーっと力が抜けて、アタマも真っ白。なんかどうでもよくなっちゃって。開き直ったんだよね。

何にもしないでただただ、動かず、起きず。

そんな状態をしばらく続けていたら、気がついたらあのどうしようもなかった痛みが来なくなった。

1~2分おきに波のように押し寄せてきていた締め付けるような痛みが、あら不思議。
やってこない。

いやまだ少し、来る。でもその頻度、周期の間隔が長ーーくなっているのだ。

あれ??痛くなくなったぞ。あれれ?何で??あんなに痛かったのに、なんで??わからん、いったいこれはどうして???


薬が効いたのかな?でもあんな漢方薬くらいで効くとも思えんしなぁ。


じーーっとしていたのが良かったのか。または完全にあきらめて開き直ったのがヨカッタのか。


どっちにしてもおいらにとっては、ウレシイ事です。

時間を見たら3時半を回ったとこだ。


恐る恐るベッドから起きだして・・・・。部屋を歩いてみる。大丈夫、普通に歩けるぞ。

ちょっとジャンプ。おおお、これも出来る。

ちょっと走ってみる。静かに・・・・おおおおおおお。こいつもオッケーだぞ。

下痢してもいないし。

下ってくるような気配もないし。

おやー、なんかいけそうかな~~!!!


痛みが無ければまったく問題はないのだ。走れるだろう。全力では無理でも完走くらいは出来るかな。せっかくこの日の為に走ってきたんだから、やっぱ行きたい、走りたい。


ううううう。どうするか。


今3時半過ぎ。これからカイルアに急いで支度すれば、4時半にはいけるかな。でもそれはLEEさんが迎えに来てくれればの話。一旦断っちゃったし・・・・


この時間にもう一度電話してどうだろうか。失礼、迷惑だよなー。疲れてるのになー。一回断っておきながらナァ・・・・・。


迷った。


よし、ここはLEEさんにもう一度だけお願いしてみよう。LEEさん、すまない!!おいらのわがまま、もう一度だけお願いします!

天にも祈るような気持ちで電話した・・・・。


携帯にかけた・・・・・・・・出ない!!っていうか電源入っていないし。そっかー、そりゃそうだよなー。万事休す、か。


お、待てよ。家の電話も教えてくれたよね、LEEさん。メモを探して、見つけました!!あったあった。


家電に、かけさせて頂きました。

おおおおおお。


2回コールしただけで出てくれました!!!



「おお、治った!!??ヨカッタヨカッタ。今からいけるよ、待ってて。20分で行くよ。玄関で待っててね。治ってヨカッタねー。」

だって!!ほんと貴方の寛容なこころ、この日本からのわがままな友達を思う気持ちには感謝しかないです。このご恩は一生忘れないなぁ。忘れちゃあ罰があたるよね。

そうと決まったら早い、早い!!昔から決めたら早い!のがいいのか悪いのかおいらの性分でね。

バイクの点検整備、持っていくもののパッキング、レースウェアに着替え、タイヤへの空気注入、あっという間に準備完了。早い!!ものの15分か。LEEさんそろそろ来てくれる、急がなくっちゃ!!!


お腹は時折、差し込みは来るけど、うずくまるような痛さは、影を潜めている。これならナントカカイルアにはいけるかな。行っちゃえば何とかなる。なんとかしなくちゃならないし。

記録や順位よりも今日は大好きなカイルアをゆっくり走れるだけでもいいやと思おう。


一度は完全にあきらめたこの日のレース。

何も怖い者はない、リタイヤの決断までしたんだからね。


ゆっくりのんびり、走ろう。それでいいんだ、それで。走れるって言う事に感謝、だな。

痛みの再来が怖いけど(なんてたって薬はもう無いし、たまに差し込み来てるしね)、もしも途中でどうしようもなくなったら、歩いてでも帰ってこよう。

何もしないでじーっとしていれば痛みは和らぐってことも分かったし。


お金はあるからタクシーって手もあるしね。


カイルアまでいければ、何とかなる。そう思うんだ。


よし、出発だ。


まだ外は真っ暗。マノアも海もみんな漆黒の闇の中だ。


でももうすぐうっすらと明るくなってくるんだろう。LEEさん、もうすぐ来てくれる。急がなくっちゃ。


4時ジャストにホテル玄関にLEEさんが来た!!さすが、LEEさん。本当に有り難う。

LEEさんのシルバーのミニバンを見つけた時には涙が出たよ・・・。



LEEさん、すみません。迷惑かけましたがカイルアまで今年も宜しくお願い致します。

笑顔のLEEさんを見たら、ナントしても走りきってこようと思った。それもまたLEEさんに対する礼儀かなとも思ったんです。勝手ですけどごめんね。


一人の日本からの旅行者のわがままをイヤな顔一つせずきいてくれて、こうして自宅から30分かけて来てくれる。カイルアまで夜中車を飛ばしてくれる。そして「頑張って走ってよ。そして今夜もご飯食べに来てね!!」なんて笑顔で言ってくれる。


Hawaiiでのこういう人情においらはどれだけ今まで助けられたか。


今年もまた危機を救ってくれたのは貴方でしたね。


さ、ガンバルゾ。カイルアまで20分。パリハイウェイ経由で行ってくれる。


LEEさん、宜しくお願いします。



奇跡的な回復 そして復活した。_d0087496_23242838.jpg

by popoiaym620 | 2008-12-24 23:25 | hawaii のこと。
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