「自重するぞー、自重しなくちゃいかん。体の調子を見ながら行くんだ」
走る前に、柄にもなくレースプラン?を考えた。 お腹の具合があんなだったからね、幾ら何でも全開でとばせないべよ。 今回のレースは「楽しんで」行こうって思った。 でもねー。 走り出したらそんな事、忘れちゃうんだよねー。懲りないねー。 そーです、そーなんです。 もうまわりのランナーのスピードにつられて、もうガンガン。 真っ直ぐ前を見て、まだ薄暗いカイルアの住宅街を走る。 昨年と同じコース。もう二回目だからコースはアタマに入ってる。 見慣れた景色ですね。 でも昨年とはちと違うのは、体と足が重いなぁって事だ・・・。 最初の1キロの入りは「キロ4分30秒」。これってやっぱし、速いよー。 昨年はこのペースでも何とか最後まで保ったけど、今年は・・・・・うー。きっついっす。 走ってると自分の体のこと、自分が一番分かる。 なんかね、段々落ち込んでくる。っていうか暗澹たる気持ちになってくる。 あー、このまっま潰れちゃうんだろうか。このっまま苦しくなってどんどんスピード落ちていくんだろうか。 もうね、情けないけど最初の3~4キロで先が見えちゃったっていうか・・・・。 でもそこであきらめないのが、ベテラン?ランナーの真骨頂。 あきらめたら全部終わっちゃう。あきらめたらそこでお終い。 最後まであきらめない。走りながらね、考えるんです。 「このままのペースで行ったら絶対潰れる。間違いない。ペース落として今の自分の力にあった速さで行こう。」 昔から切り替えは早いからねー。 それにここはカイルアだし。Hawaiiだし。せっかくカイルアまで来たんだし。 こんあにいい朝のカイルアを走ってる自分が、いる。これってすっごい事だぜい。 今日の夜中、レースに出られないってあきらめたんだし。 LEEさんの助けでここまで来れて。紆余曲折?はあったけど、結局ここを走っている。 なんかさ、そういう運命が今回のHawaiiには用意されていたんだなぁって。 走れるとね、人間欲が出てきて、順位やら記録やらを求める。 でもこうして走れる事を喜ばなくちゃいかんよね。 欲だしちゃいかんね。 走りながらそんな事を思ってた。 一瞬だけどねー。 アタマでの切り替えは出来たけど、体や足のほうは、簡単には切り替えられない。 というかもう結構無茶なペースで来ちゃったから、いっぱいいっぱいになっちゃってた。 10キロ(まだ半分だよ!!ううう)くらいでもう、足がパンパン。息も荒く・・・。もういかんね、こりゃダメでー。 自分と同じようなペースのランナーを追いかけて来たけど、だんだん離される。あーーー。 こういう時のランナーの気持ちってわかりますか? 寂しさ、悔しさ。絶望感、あきらめ。自分への責め、激励のない叱咤だけ・・・。 やっぱ練習が足りなかったのか。自転車乗りすぎたのか。マラソンに的を絞ったほうがよかったのか。食い過ぎたのか。腹痛の原因はなんだったのか。ココヘッド登山がいけなかったのか。 悔しくて、情けなくて・・・。 でもこれが現実。これが自分の今の力。 前を行くランナーのほうが練習やってきたっていう事。誰のせいでもなくって、自分のせいさ。 くっそー。 沿道にぽつりぽつりと応援してくれているロコ達に力なく笑顔を返す。あー、いかんいかん。 にこっと笑って手でも振らなくっちゃ。 そんあ元気無かったけどねー。 なんせ足が前に出ない。体も重い。重りでも背負ってるようです。なんでかなー。 10キロ過ぎて、15キロ。調子よければここからペースアップなんか出来ちゃうんだけどね。 ペースダウン~~~。たはっはっは~~。 どんどんペース落ちてくるのわかるー。 やっべー、こりゃまじで やっべーぜ。 もしかしたらワースト記録?? もういろんなネガティブなことを考えちまった。 この辺にくると、トップランナーとすれ違う。 みえてた、見えた!!ハエエ~~~!! やっぱ速いです。跳ねるように走ってくる。地面を蹴る力が伝わってくるようだよ。 腕も力強く、ぐいぐいだし。 でも思ったのはね、彼らもすっごく苦しい顔してるんです。 楽そうに走ってくるランナーなんて一人もいないんです。 当たり前といえば当たり前なんだけど、今にも死にそうな形相で走ってくる。 そんな彼らを見てて、考えが変わった。 そーなんだよな、あいつらも苦しいんだよな。みんな苦しいんだ。みんな同じなんだ。 おいらだけが苦しいんじゃない。速い人も、誰だって苦しいんだ。 自分の定めた目標に向かって、ひたすら走ってるんだなって。 汗びっしょで、真っ赤な顔して、すれ違いざまに感じる気合い、根性、一途な気持ち・・・。 よーし。 おいらはおいらの今できる走りをすればいいんだ。 ここからだって自分のランニングをしよう。 暗くなる事なんてないんだ、だってここはHawaiiのカイルアだぜ!! 折り返してあと4キロ。 今度はおいらが後続のランナー(こっちのランナーのほうが圧倒的に多いんですけどね。まだまだおいらはいいほうなんですって思いました)の数をカウントするほうになる。 彼らもみんな真っ赤な顔と全身汗で濡れてます。 苦しそうな顔、引きずっている足、曲がった腰、背中・・・・。みんな苦しそうだなー。 今日は特に朝から暑いからかなぁ。昨年よりも確かに暑い。 でもHawaiiだし、暑いのはあたりまえ。 地面ばかり見ていたのを、上を見て走ろう。 あー、いい天気なんだなぁ。今日もいい天気だ。サンデーなんですね、今朝は。 カイルアのこんな素晴らしい天気の朝にハーフマラソンを走れるなんて、やはりシアワセなんだって思う。 二回目のハーフ。カイルアで走るのも二回目。でも昨年とじはまったく違うコンディションの中で 走ってる。 考え方一つで楽しい気分になるなー。 カイルアの朝空を見上げると、もうぎらぎらした太陽が上っていたよ。 後ろからやってくるランナーにどんどん抜かれて。 何人に抜かれただろう。数えきれないよ。きっとペースアップしてきているんじゃなくっておいらのペースが落ちてるんですね。 ラスト2キロ。ここからが長かったーー。いやー、辛かった。こんなに2キロの距離が長いとは思わなかったなぁ。 歩くような速さ、自分では頑張ってるつもりでもタイムを見たら、とぼとぼ走り。 それでも諦めない。歩かないぞ。 眼鏡に汗がたれてきて前が曇る。くっそー。 いやに眩しいぜ、カイルアの朝日よ。 「グッジョーブ!」って後続のランナーに励まされちゃった。 人生を感じます、抜きつ抜かれつ・・・・。でも抜くときには笑顔で抜きたいもんですね。 抜かれるときも、スマイル??かなー。 あと1キロ。マイル表示だから実際には違うけど、おいらの時計は距離が出るから、分かるんです。 あとちょっと、あと900メートル、あと800メートル、600メートル・・・・・500、400、300、・・・ インターナントカカントカスクールが見えてきたぁーー!! 応援の人がいっぱいいるよー。あー、かえってきたー。 戻ってきたー。 なんて長いハーフだったんだろう。たった21キロがこんなに長かったなんてね。初めてさー。 今は朝の7時45分過ぎ。昨年のタイムより8分も遅い到着だ。でも無事戻ってきたどー。 今までの苦しさ、痛さ、悔しさ、情けなさの感情をここではぐっとこらえて、この応援してくれている観衆の人たちに笑顔で応えよう。 にこっと笑ってさ。 手なんか振っちゃってさ。 フィニ~~~ッシュ!! こじんまりした手作りのフィニッシュゲートをくぐると、みんなが寄ってきて「コングラッチュレーション!!グッジョ~~ッブ!!」 って言ってくれる。最大の祝福やねー。 あの苦しさは一体どこに行っちゃったの?さきまでの痛みはどこに?? これがマラソンのいいところさ。カラダの痛みや苦しみは一瞬。でもその完走の喜びは永遠なんだよ。 これがあるからこんな苦しいこと、続けられるんだね。 楽しいからやる、走る。ただそれだけさ。 あー、カイルアハーフ、最高!! いろんな事があったけど、何はともあれ完走できて、おめでとうだね。自分で自分を褒めてあげました。きやー、よく走ったね、アンビリーバボー。 1時間44分は確かに思ったようなタイムではなかったけどね。でももうそんなことどうでもいいか。 今おいらはここ、カイルアの朝の中にいるんだ。 今年もまたゴール出来たんだ。これ以上何を望むというのか。 このシアワセモノ~~。 以下、シアワセなアフターマラソン風景をメニー載せちゃいますね。 マラソンの楽しさをおすそわけ、ってか~^。がははは~~。 続々とランナーたちが帰ってくる。もう感動します、カイルア市民みんあが出迎えてるんじゃないかっていうくらい、拍手、拍手、口笛ピューピュー。 みんな真っ赤です、そして全身びっしょりっす。脚を引きずり、目はうつろ・・・苦しかったよなぁ、あんたもさ。おいらも苦しんだけど、あんたもがんばったねー。 コングラッチュレーション!!!そしてグッジョ~~ッブ!! こんな小さなフィニッシュラインだけども、ここまで来るのは大変なのよねー。みんなそれぞれ思いは違うけど、頑張って走ってきたんよなぁー。 レースもおわっっちゃった。 今年は知ってる人、いないなぁー。一応周りを見回す。こんなとき、仲間がいたらどんない楽しいかなぁ。一人で参戦してるんで仕方ないけどね。うううう。がはっはー。 水貰って、一気にボトルいっぽん空けちゃった。のど渇いっちゃったしね。命の水、ですね。 芝生に座ってたら、おおおおおおお! 昨年一緒に走った「スキンヘッドのMONNZANO」君が!!! おめー、今年も走ったのね?あんたも好きね~~。 でもうれしいなぁ。向こうからおいらを見っけて声かけてくれたんですよー。 「よっ!!久しぶり。元気だった??バイク??松の名前あったよ!!おめでとう!今年はエイジで3位だよ!あっちに貼ってあるから見てみなよ!」 ええええええええええええええ!!! それは嘘だろー、そんなことないよー。 タイムをこんなに落としたんだから。それは何かの間違いだよー。 今年はゼッタイ記録や順位は駄目だろうなrて思ってたから、実はかなりブルーだったんです。 でもMONNZANOの言葉を聞いて。思いっきり舞い上がってしまったぞー。 どれどれ・・・・!!! おおおおおおおお、あったやんけーー!これぞアンビリーバボーや!! っていうか嘘やろ?ってね。 でも確かに「IBARAKI」なんて書いてあるしー。 やった~~~!!! 今年もメダルゲットやぁ~~。うっれっし~~。 地獄から天国へ這い上がった「カンダタ」のような気持ちですたね。 持つべきものは友だねー。MONNZANOが教えてくれなかったらきっとおいら、とぼとぼとバイクに乗ってワイキキまで帰っちゃったと思います。 あー、うれしい。 これでまだカイルアにいられるし。 まだ朝の8時だかんねー。これから始まるんだからね、今日という日は!! これがその喜びの写真だよー。 MONNZANO、ありがとう!!! 諦めないで最後まで走ってヨカッタヨ。神様は最後に素敵なご褒美を用意しててくれたんだよな。 ウッレシイ~~!!!
by popoiaym620
| 2008-12-31 15:55
| hawaii のこと。
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